7 décembre 2020

タマ、帰っておいで



横尾忠則が亡くなった愛猫タマを描いた
展覧会「タマ、帰っておいで」を観てきました。

小さなギャラリーの壁面いっぱいに掛けられた
タマの絵は全部で91点。
今まで見たことのないタッチで描かれていて
これが「作品」ではないことがわかります。

これを全部、亡くした後に描いたんだ。
その圧倒的な数に鬼気迫る思いを感じて
息が苦しくなりました。
愛と悲しみの想念で押し潰されそうだった。

私は猫も3匹飼ったことがあるけど
昔のことなので家の中と外を出たり入ったり。
時々ふらっといなくなってはまた帰って来る
という感じで猫は実に猫らしく生きていました。

最後は出て行ったきり帰って来なくなり
家で死なれたことはなかったので
猫は死期を感じるといなくなるものだ
と思っていたのです。

反対に犬はどの子も看取りました。
亡くした時はそれはそれは悲しくて
もう2度と飼わないと泣きながら誓うのですが
いつの間にかまた新しい子がいるという感じだった。

1番最近亡くしたのは黒ラブのアレックスです。
アレックスは老衰で15歳で亡くなったけど
最後の最後まで大事に世話をしたので
亡くした後は「うちの子になってくれてありがとう」
と穏やかな気持ちでいられました。

喪失感はあるし「また会いたい」と思うし
今でもよく思い出しますが
直後も静かな気持ちでいられたのは
私の死生観のためだと思っていました。

でも横尾忠則の絵を見て
これは犬と猫の違いかもしれない
と思ったのです。
猫はそういう生き物なのかもしれない...。

私は今でも本当は猫が欲しいのです。
動物は大好きだから友だちの猫たちを見ると
羨ましい気持ちでいっぱいになります。

こっそり里親探しのサイトを見て
猫を迎えることを想像したりもするけど
タマの絵を見たらやっぱりムリだと思った。

ふと子供の頃を思い出しました。
うちには犬や猫のほかにいつも小鳥がいたけど
そういうお世話は結局祖母がしていたなぁ。
世話をする約束で飼わせてもらっても
私や妹は約束を破るから。
祖母も生き物が好きだったんだなぁ。

展覧会で横尾忠則のサイン入りの本を買いました。
扉を開いたら、そこには
「TAMA & YOKOO」
というサインが入っていました。
 
                        
泣く。。
いつも読んでいただきありがとうございます♪
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この記事へのコメント

1. Posted by ゆみこ    7 December 2020 15:53
こんにちは。
偶然でなく、やっぱり繋がってそう。
絵を初めて1年と少し。
きっかけをもらいましたと報告はしてましたが、
まさに私は横尾さんのように悲しみと悔しさのやり場がないから絵を描き始めたと思います。
死は仕方ないことと思うけど、小さくて、純粋で、飼い主だけをひたすら信じて疑わない動物は、人を失う悲しみとはまた違う悲しみが・・
今日も教室に行き、仕上げをします。
色を使えるといいと思うけど、着手しないのは、
描いてる動機がひとと違うからかも。
いつも気持ちがシェアできる記事をありがとうございます。
2. Posted by yuricon    7 December 2020 17:02
ゆみこさん、
そうなんですね。
ゆみこさんが描くのも猫ちゃんの鎮魂なのかな。
動物を亡くすのと人間を亡くすのは確かに何かが違いますね。
守るべきものを亡くすからなのかな。
私も今だからアレックスを描けるのかなぁ。
いや、やっぱり犬と猫は違う気がする。


3. Posted by ゆみこ    7 December 2020 22:20
ずっと慕い続けて後をついてくる犬はひたすらかわいいけど、辛抱強くて痛いとも鳴かない猫は健気すぎて心に応えるんですね。
そして飼い主だけがそれを知ってるから、小さい身体でがんばって生きたことを。
一般の人は犬が好きという人が多いと思います。
絵の仕上げは、鼻周りが何か違うと触ったら、時間がかかって仕上がりませんでした。(笑)
その代わり似ましたよ。
進歩したんですね、違うところがわかるようになって。(笑)
何度も投稿すみません。
4. Posted by yuricon    7 December 2020 22:58
そうか、そういうことか。
なんだかわかるような気がします。

絵、似てきたんですね。よかったね。
絵を描きながら気持ちを鎮めていく。
絵を描くということは、それ自体がセラピーなのね。
描いてもらえる子は幸せよね。

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