20 juin 2020

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梅雨の合間のカラリと晴れたある夕方。
都心からの帰りにクルマを走らせていたら
西の空が何とも美しい夕焼けに包まれていました。

滅多に見られないような見事な空。
ちょうど西に向かって走っていたので
刻々と変わっていく夕焼けを
はじめから終わりまで見ることができました。

薄いピンクからサーモンピンクへ、
それから徐々に墨を流したように深い色に
変わっていきます。

実際、墨絵で色を使う時には
水彩絵の具にほんの少し墨を混ぜるのです。
そうすることで絵の具と墨が自然と馴染むの。

そうするうちにも
夕焼けに混ざる墨の量がどんどん増えていって
深い深い葡萄色になっていきます。
一瞬たりとも待ってはくれない一期一会の景色。
ああ、なんという美しさ。

やがてすべての雲に墨が垂らし込まれて
心踊るエンターテインメントは
幕が下りました。

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こちらは7年前にフランスに行った時に
マルセイユのホテルから見た朝焼け。
燃えるような朝焼けに感動して
夢中でシャッターを切りました。

宇宙が創るアートは素晴らしいなぁ。
「絵のように美しい」というけど
夕焼けや朝焼けの美しさは
どんな絵の具をもってしても表現できません。
実物の色にはとても敵わないね。

こんな鮮やかなアートに対抗するには墨しかない。
色を使わず色を感じさせる墨絵が
一番向いていると思うのよ。難しいけどね。
いつか思い出しながら描いてみよう。



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