19 mars 2020

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今年も桃源郷に春がやって来ました。
今日は空にハートのオマケ付き❤︎
カプチーノに描いた絵みたいだね。
ここの魅力はただ綺麗というのではなく
ちょっと不思議な風景だということです。

どう不思議なのかというと
まず住宅街に突然現れる別世界であること。
そして畑の畝と剪定された桃の木が醸し出す
自然でもなく人工物でもないような独特の雰囲気が
箱庭を思わせるところ。

私はここに来るといつも
昔話の「うぐいす姫」を思い出すのです。

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「うぐいす姫」はこんな話。
昔々、若者が梅の木の下で
美しい4人の娘とその母に出会います。
彼女たちの屋敷に招かれてご馳走になると
「女所帯は物騒なのでここに住んでください」
と言われ、そのままそこで暮らすことになります。

屋敷での暮らしはそれは楽しいものでした。
ある日娘と母親が出かけることになり
1つだけ約束をさせられます。
「この家のどこを見ても構いませんが
  この箪笥の4番目の引出しだけは
  決して見てはいけませんよ」

もちろん、若者は見ちゃうよね。
1段目の引出しを開けると初夏の光景、
2段目の引出しの中には稲刈りの風景、
そして3段目の引出しには真っ白な雪景色が。

若者はどうしても4番目を見たくなり
我慢できずに開けてしまいます。
そこは思った通り満開の花々が咲き誇る
美しい春の景色が広がっていました。

すると中から5羽のウグイスが
飛び出して来て言いました。
「見てはいけないと言ったのに」
ウグイスは瞬間女性の姿になったかと思うと
そのまま空高く飛んで行ってしまいました。
そこにはもう屋敷もなく、
あの時の梅の木があるばかりでした。 

引出しの中に風景があるなんて
子ども心にこの物語が不思議で不思議で 
とっても好きだったのよね。
その、開けてしまった4番目の引出しは
こんな風景だったに違いないと思うの。

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そしてその箪笥のイメージは
昔実家にあった建て付けの悪い着物箪笥。
毎年桃源郷を見るたびに思い出すのです。



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