21 février 2020


会社が入っているのは
畳屋さんの小さなビルの3階で、
1階には大家さんのお母さんの
92歳のおばあさんが1人で住んでいます。

このおばあさんが元気で人懐こくてね、
同じく人懐こい私は会えば言葉を交わします。
身体はピンピンしているので
1人で歩いているのをよく見かけるの。

時々デイサービスに行くのも見るけど
頭も割としっかりしてそう。
でも食事はどうしているんだろう
そんなことを同僚と話していたんです。

ここは新宿のど真ん中で仕事には便利だけど、
近くにスーパーはないし
日々の生活を考えると意外と不便だと思う。
毎日デパ地下では不経済です。

でも、おばあさんは宅配のお弁当などの
サービスを受けている様子もなく
食事を届けてくれるお嫁さんもいません。
ごはんはどうしてるんだろうねえ。

とはいっても飲食店はたくさんあります。
隣には和食屋さん、すぐ近くには
うどん屋さんでも何でもありますから
外食してるのかもしれない。
案外、隣の店には「おばあさんスペシャル」があって
日替わりで定食を食べてたりして。

でも、あの小さな体では
それほど量は必要なさそうだし
毎日外食は流石にないんじゃないかなぁ。
でも自炊している様子もないのよね。
「謎だよね」「うん、謎」

そんな噂をしていた仕事帰り、
会社の入口でおばあさんとバッタリ会いました。
襟と袖口にミンクのファーが付いた
お洒落なコートを着ていたので
「あら、お出かけだったんですか?」と聞いたら
「息子のところに行ってたのよ」

同じビルに息子さんがいるから
ひとり息子だと思ってたけど違うんだね。
「いつもお元気でいいですね」と言うと
「はい、私は元気。あなたも気をつけてね」
そう言って送ってくれました。

おばあさんと別れてから思い出しました。
しまった、食事のこと聞けばよかった。
今度会ったら聞いてみよう。



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