4 octobre 2019


若い人たちは知らないと思うけど
昔、丹波哲郎という俳優がいて
『大霊界』という本がベストセラーになるなど
死後の世界の研究家としても知られていました。

会ったことはないんだけど
彼は母方の親戚でね、
母の苗字も丹波です。

母の父親(つまり私の祖父)は
孫文の影響を受けた中国人の革命分子を
密かに支援する弁護士でした。
辛亥革命ね。

京都御所のすぐ近くにあった屋敷で
祖父たちは毎晩のように密談をしていましたが
その家には隠し部屋があって
憲兵が踏み込んできたら地下のトンネルから
脱出できる造りになっていたらしい。

「忍者屋敷みたいだった」
と祖母が言っていました。

革命分子を匿うことはもちろん犯罪です。
彼らも捕まれば拷問されて殺されるでしょう。
なのでお互い命がけだったわけです。
そんな中で革命は成功し、
中華民国が樹立したのが1912年。

その後も祖父は中国と深く関わっていて
何度も中国に渡っていたようです。
母が生まれたのは1933年だけど
その2年前には満州事変が起きているから
日本と中国の関係は悪化していたのね。

祖父は危険と隣り合わせの生活だったので
何かあった時に家族に被害が及ばないように
祖母とは事実婚という形をとっていました。
母も生まれた時から1人戸籍でした。

実際、祖父は母がまだ赤ちゃんの頃に
中国に行ったきり行方不明になりました。
恐らく殺されたのだろうという話。
でも真相は藪の中です。

さて、私が20代の頃のことですが
妹が祖父のことを調べようとしたことがあって
その時に丹波哲郎に手紙を書いたんです。
祖父の消息を知っていたら教えて欲しいって。

結局行方はわからなかったんだけど
奥さんが丁寧に対応してくれて
丹波家の家系図をくれました。

それによると丹波家の家系図は
2000年前まで遡ることができて 
中国の霊帝に辿り着くのだそうです。
霊帝というのは後漢の人ね。

2000年も前の人なので
その子孫は何100万人もいると思うけど
我が家もその末裔ということなのよ。
私が中国の文物に興味があるのは
それが理由なのかなぁ、なんて思ったりして。

でも私は漢民族よりむしろ
満洲族に興味があるんだよね。
私はチンギスハンの時代に中国にいたと思うの。
騎馬民族の衣装を見ると魂が震えるから。
こちらは魂の記憶の話。

だからどうってことはないんだけど
なんか面白いでしょ?



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