12 août 2018

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西荻窪に「魯山」という面白い店があります。
器や骨董を扱う雑誌には
必ずといっていいほど載っている有名店で
骨董と作家モノの器を置いています。

西荻には骨董店がたくさんありますが
この店の器は値段が手頃なのが魅力。
「うちは食器屋だから」と高いものは置かず
明治の印判やキズがあっても魅力的な器を
提供しています。
プレスガラスや石皿も豊富。

店主は今どき珍しい頑固オヤジなんだけど
作家さんを本気で育てる愛があるから
色んな人が寄ってきます。
その中からコレという人の個展を開く。
若手作家の登竜門になってるんだよね。

私が骨董に凝っていた頃からのおつきあいだから
かれこれ四半世紀になりますが
私はこの頑固な店主の美意識が好きです。
そして彼の美学も好きだなぁ。

古伊万里ブームだった頃、
他店では無傷の器が何万円もで出てたけけど
その頃からこの店では使える骨董を選んで
置いていました。

器は美術品じゃないからね。
本人も男前なら置いている器も男前。

久しぶりに店をのぞいたら
ちょうど二人展が終わったばかりという
内田好美さんの作品が並んでいました。
辰砂の濃いピンクがなんとも素敵で
思わず手に取ってしまいました。

外側に辰砂がかかっているお茶碗も
素敵だったけど
窯瑕のある楕円皿がとても良くて
久々に食指が動きました。

頑固オヤジの店主はスマホを持たない、
PCも使わないというアナログ人間です。
当然カードも扱っていません。
持ち合わせがなかった私はお取り置き。
「来週来るので取っておいてください」
器は増やさないという決意もどこへやら。。

彼が言ってたけど
最近の若いお客さんは
カタログでモノを買う感覚で
骨董を買いに来るって。

骨董なんてものはたくさん見て触って
はじめてわかるもので、
素性を知るからなおさら好きになる。
色合いや感触に時代を感じるからこそ
価値が生まれるものだと思うのね。

江戸か明治かなんて見ればわかるのに
それを勉強もせずに来て
「これは骨董ですか?」とか聞かれると
頑固オヤジは意地悪したくなるらしい。
そんなおしゃべりも楽しかったよ。

久しぶりに彼のセンスに触れて
ああ、やっぱり好きだなぁと思った。
そしてやっぱり器が好きだなぁと思った。


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