23 juin 2018

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この秋、国立新美術館で開催される
ピエール・ボナール展のパンフを見ていたら
面白いことが書いてありました。

1893年、パリの街角でボナールは
マルト・メリニーと名乗る少女と出会います。
この時ボナールは26歳、
マルトは16歳だと告げました。

マルトはやがてボナールの恋人となり
神経症で日に何度も入浴する彼女のために
ボナールは当時は贅沢だった浴室を備え付けます。
彼女の入浴は彼の創作意欲を掻き立てました。

ボナールがマルトの本名と実年齢を知ったのは
32年後の1925年、正式に結婚したときでした。

本名はマリア・ブールサン、
本当の年齢はボナールより2歳年下。
マルトは8歳もサバを読んでいたのね。
24歳なのに16歳だなんて、やるね。

華奢な体つきは確かに幼く見えますが
人って言われるとそう信じてしまう
ということなのかもしれません。
或いはボナールにとってそんなことは
どうでもよかったのかもしれない。

マルトの立場になってみれば
敢えてデタラメな年齢を言って
「本当の私を見てちょうだい」
と思っていたのかもしれません。

実際、マルトは紫がかった青い目を持つ
美しい人でした。
ボナールは彼女が入浴する姿を愛し
生涯にわたって描き続けました。
マルトもまたボナールが絵を描く姿が
好きだったといいます。

私にとってボナールは
特に好きな画家ではありませんが
ストーリーを知ると見方が変わります。
展覧会が始まったら観に行こう。

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