29 novembre 2017


曇り空の下を歩いていたら
ハニーがこんなことを言いました。

「空が曇っていて、落ち葉があって
  なんだかフランスを思い出すよ。
  フランスはいつもこんな感じだよ」

そして「ああ、この音好き」と言いました。
枯葉がカサッと音を立てて枝から落ちたのです。
サクラの大木はもう殆ど葉が落ちて
所々に赤く色づいた葉が付いているだけです。

彼がこんな情緒的なことを言うなんて珍しい。
100%左脳人間だと思っていたけど
こういうところもあるんだね。
なんだかとても新鮮です。

「そんなことを言うハニーが好きよ」
そう言ったら彼は照れ笑いをしました。
秋は人の感性を刺激する季節なのかもしれません。

彼も私も忙しくなってしまったので
この頃は火曜日にしか会えなくなりました。
今まであんなにしょっちゅう会ってたのに
ちょっと物足りない。

私が毎週火曜日を休みにしてもらっているのも
ハニーがうちの近くの職場に行く日だから。
なのでずっと一緒にいられるわけではなく
彼はミーティングに出かけてしまいます。

早く終わって戻って来る日もあれば
ミーティングが長引いて
そのまま帰ってしまう日もある。

昨日はお昼頃出かけて行ったのですが
2時過ぎに電話が来ました。
「3時からまたミーティングなんだけど
  時間があるから一度戻るよ。
  行かないとあなたに怒られるから」
「そういう言い方しないの。
  会いたいから戻るって言えばいいじゃない」

「もちろん会いたいから戻るんだよ」
慌てて言い訳していたけど
ハニーったらいつもそんな風に勿体ぶるんだ。

コーヒーを淹れて甘いものを食べながら
私たちは30分ほどおしゃべりしました。
職場まではクルマで5,6分だけど
もう行かなくちゃね。

マンションを出てクルマまで
いつもの様に私たちは手を繋いで歩きました。
その時に彼が言ったのです。
「フランスの晩秋はいつもこんな感じだよ」
確かにこのアンニュイな色合いは
ヨーロッパを思わせます。

正面のサクラの木から枯葉が1枚落ちました。
「ああ、この音好き」
晩秋の別れはちょっと切なくて素敵です。



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