24 novembre 2017


取材ですごく爽やかな青年に会いました。
高校卒業後、新聞奨学生として
朝夕刊の配達をしながら
専門学校に通った経験のある31歳。

お父さんも6歳年上のお兄さんも
新聞奨学生だったので
彼も自然とそれを選んだのだそうです。

新聞奨学生というのは、各新聞社が主催する
学生支援を目的とした奨学金制度。
新聞販売店の寮に住んで朝夕刊の配達をすると
給料も出る上、無事卒業すれば
学費は免除されます。

自分の力で学校を出たい人には
これ以上の制度はありませんが、
新聞配達はとても体力の要る仕事です。
何より朝が早い。

今日会った人は凄いの。
高校時代からバスケットをしていて
奨学生になっても続けていたのですが、
彼の1日の生活はこんな感じ。

2:30起床→朝刊の準備&配達→学校へ→
15:00~夕刊の準備&配達→バスケットの部活→
仲間と反省会を兼ねた夕食→11:00頃帰宅
→24時就寝

翌日の朝刊にチラシの折り込みがあると
帰宅後それをしなければなりません。
眠らないまま朝刊の配達に出ることも
珍しくなかったとか。

最初の3か月は起きられない、眠い、
学校に行っても起きていられない。
めっちゃツラかったのですが、
高校時代のバスケ部の凄まじい練習は
今よりもっと辛かったと思うと
「よっしゃー」と力が出たというの。

「よく体が持ちましたね」と言ったら、
「丈夫に産んでくれたお母さんに感謝!」
と爽やかに笑いました。

因みに、奨学生の仕事内容は会社によって
配達だけのところと集金があるところがあります。
集金がある方が給料は高いけど
その分自分の時間が削られます。

彼はバスケットがしたかったので
配達だけの新聞社を選んだというわけ。
それにしてもスゴイ体力ですよね。

普通は、今までスポーツをしていた人も
奨学生になったらやめてしまいます。
今まで何人もの奨学生や奨学生OBに会ったけど
学業と仕事とスポーツを全部やった人は初めて。

その彼の両親がまたスゴイ。
お父さんは根っからのバックパッカーで
ひと所にじっとしていられない人です。
世界中を旅しているうちに
ブラジルで知り合ったお母さんと結婚、
お兄さんと彼を儲けます。

彼が小学校に入るときに日本に戻りましたが、
家族が一緒に暮らしていたのは中学生まで。

完全放任主義というか、
彼が高校生になると両親はお金だけ置いて
どこかにふらっと行ってしまいます。
そして年に数回帰って来ては
お金を置いてまたどこかへ行っちゃう。
寅さんか?

子どもの力を信じていなくちゃ
そんなことできませんよね。
日本では親子共依存の人が多いけど
彼は自立した、聡明で真面目な青年です。
放任主義でいる方が子供はよく育つのかも。

前提としてスポーツで精神と肉体を
鍛えたことは大きいと思うけどね。
1つの目標に向かって仲間と共に頑張る
という経験が彼の大きな財産になっています。

なので彼は仲間や縁をとても大事にします。
お世話になった新聞販売店には
卒業して10年以上経っているのに
毎月後輩にお菓子を持って行くんだって。

バスケットが本当に好きで、
今でも5つのクラブチームに所属して
プレイしています。
選手を辞めてもバスケは辞めないって言ってた。

「今まで色んな人に支えられてきたから
いつか恩返しをしたい」
いずれは発展途上国で技術を教えるなど
人の役に立つ仕事をしたいと熱く語ります。
なんか、器が大きいの。

長身のイケメンでめちゃくちゃ爽やか。
やっぱりスポーツマンは違うなぁ。



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